今日、新たなライバルが出来てしまった。
それは周防先生の体育の授業のこと。2−Bと2−Cの合同体育だった。
「今日は50メートル走のタイムテストするぞー。」
周防先生の言葉により、ぞろぞろとスタートラインに並ぶ。
屈伸をしている者、軽くジャンプしている者などさまざまだ。
ちなみに俺は足には自信あり。なんたって前のタイムは5秒95。
凄いだろ?
絶対今日も1位取ってやるもんね。
「よーい、スタートッ!」
通常組はともかく推薦組はスポーツ面で取られているだけにみんな結構速い。
将が少し遅かったかな。けど7秒台だ。
あー、早く走りてぇ・・!!
俺はボーッとグランドを眺めていると、なんか微妙に派手なん出てきた。
おぉ、赤メッシュ入ってるよ。
ピッ!!
「速ぇ!」
「ゴキブリ並のダッシュ力・・・。」
「何秒だ?」
「・・・5秒90?マジで?」
5秒90・・・?えぇっーーー!?
「小岩君速いね。」
「おうっ。去年よりも伸びただろ?」
しかも将と友達っぽいし!?
「ちょっ、そこの赤メッシュ!!」
「ん?俺?」
「そう!赤メッシュはお前しかいない!!」
「何だ?」
「赤メッシュのタイム5秒90だったよな?んで今んとこ1位?」
「そうそう!スッゲーだろ〜。」
「いーや、俺の方が凄いね。絶対お前のタイム抜かしてやるから!」
「抜かせるもんなら抜かしてみろっ!」
「俺の足の速さなめんなよ!?」
「前のタイム何秒だったんだよ!」
「うっ・・。そ、それは秘密だ!けど絶対俺の方が速い!!」
「秘密って事は俺より遅いんだろー?」
「俺の方が速いって!!」
俺は赤メッシュと言い争いをしてて、周りの事に気づかなかった。
そしてさっきから俺を呼びかけている将の声も聞こえてなかった。
「もう、
ってば!!」
「ぅおっ。なんだ将、どうした?」
「どうしたじゃないよ。次の番だって!」
・・・ありゃ。いつのまに。
しかもみんなの注目集めてるし。そんなに大声だしてたかな・・?
「おーいー!早くこーい!!走らずに終わる気かぁー!!」
「走ります走りますー!!・・・見てろよ赤メッシュ!!」
「俺は赤メッシュって名前じゃねぇー!!」
赤メッシュが何か言ってたけど無視して、俺は周防先生の所へ行く。
「遅いぞ!5秒で走ってこい!」
「えぇー?5秒はキツイっすよー。」
もちろん周防先生が冗談で言ってるのは分かってる。だって顔笑ってるし。
ま、流石に5秒フラットは無理だろうけど・・・。
ピッ!!
「・・・5秒、63・・・?」
63か。まずまずってところだな。前回より速いし。赤メッシュにも勝ったし。
「マ、マジ・・・?」
「俺よく見えなかった。」
「スッゲー・・。」
俺は上機嫌で将達の所へ戻る。
あっはっは。赤メッシュは悔しそうだ。
「どーだ!俺の方が速いだろー?」
「なっ。じゃあ次こそ俺が勝つからな!!」
「どうだか。次も俺の楽勝だって。」
「〜〜〜っ。で、でもアイツには勝てないと思うぜ!」
「は?アイツって、だr「うおぉっ!!アイツ1番速ぇよ!!」
「何秒だった!?」
「・・・・5秒49!!日生お前最速!!」
・
・
・
・
「はあぁ!?5秒49!?」
「なっ。光っくんには勝てねぇだろ?」
赤メッシュも負けてるくせに威張んな!!
俺は人だかりが出来てる、日生?光っくん?の所へ駆け寄った。
「な、なんでそんなに速いんだ!?」
「さぁ?俺元々走るの好きだし。」
「陸上部だったとか?」
「いや、俺ずっとサッカー部だよ。」
「マジで!?」
「マジマジ。」
「じゃあ今日から日生は俺のライバルだ!!」
「良いぜ。俺も負けないよ。」
「おいっ!俺は!?」
「・・・なんだ赤メッシュ。いたのか。」
「いたのか、じゃねぇよ!俺もライバルだろ!?」
「フンッ、赤メッシュなんか敵じゃねぇな!」
「何でだよ!光っくん!こいつになんか言ってやってくれ!!」
「頑張れ、小鉄。」
「そんだけ!?」
結局、俺と赤メッシュは口論を続け、日生は爽やかな風吹かせながら笑顔で笑ってて、いつの間にか体育の授業は終わっていた。
赤メッシュと日生は2−Cで、次の授業は自習だったから良かったけど。
俺は授業に遅れてみっちり説教受けました。
「赤メッシュのバカヤローーー!!」
「だから俺は赤メッシュって名前じゃねーって!!」
← 目次 →
****あとがき****
50メートル走5秒台ってありえなくないですか。
私が中学生だったとき、1番速い男子でも7秒台だったよ?
遅いって言われてる将と同じぐらいだよ?
みんな速すぎじゃね?それともうちの男子が遅いのか?
うーん。謎・・・。
2006.5.29