*話の都合上、部長幸村君は退院しています。


が決めたこと。
信じてる。















○●決意














「手、術・・・?」
「うん。」
「でもっ、 は・・・!」
「そうだね。失敗したら、お別れだね。」


の身体は手術しないと治らない。
でも手術成功率はたったの10%。
失敗すれば・・・・・ の命は尽きる。


「決めた、のか。」
「うん。たった10%でも可能性を信じてる。」


「少しでも、ブンちゃんと一緒にいられる道を選びたいんだ。」




そう言った の目は強い光を放っていて、揺るぎない決心だと分かった。
俺と一緒にいたいと言ってくれた

だから、俺も を信じたい。



「手術はいつなんだよ?」

「一週間後。」



















俺は自分の部屋のベッドに寝ころんで天井を見上げていた。



「一週間後!?そんな早くなのか!?」
「本当はね、手術が決まったのずっと前なんだ。」
「え、でもそんな事・・・。」
「あの日、ブンちゃんに会えなかったら、私手術諦めてた。ブンちゃんに会えて、改めて一緒にいたいって思ったの。」



がそう言って、俺は をぎゅっと抱きしめた。

が手術を受ける。
手術が成功すれば、 の身体が治れば、ずっと一緒にいられる。
でも、でももし失敗したら・・・?






「〜〜〜〜っ。 を信じるって決めたの、俺だろ・・・。」


体を反転させて、枕に顔を埋める。
どうしても逃れられない不安は付きまとって。
でもその不安は の方が大きいに決まってるのに。


怖いのは、 の方なのに・・・・。






ふと、枕元に置いてあった携帯が目に止まる。
病院に行ってたから電源は切ったままだ。
電源を入れてメールの確認をすると・・・1通の着信。30分前に。


「幸村君じゃん。」


メールの内容は、お呼び出し。
しかも最後に「あ、これ部長命令だから。」とまで書かれている。


誰にも会いたくない。
    誰かと話したい。
でも誘われたときに素直に出て行けない。



幸村君はそんな俺の心まで見透かしてる。
こうでもしなきゃ俺が出てこないって、幸村君は分かってる。


ホント、部長様には敵わないよな。
真田とはまた違ってさ。



メールの返事をして、急いで指定された場所へ向かった。







2007.1.7