鬼は〜外

福は〜内













豆の数は年の数














2月3日。
天候が生憎の雨で、今日の部活はミーティング。



「はあぁ〜・・・。ミーティングはつまんないッスねー。」
「赤也!ミーティングも立派な部活だぞ!」
「確かになぁ。動かねぇと体暖まんねぇし。」
「せめて室内練習場が使えたら良かったんですけどね。」
「今は建物の修理中だ。仕方がない。」



ミーティングって言っても今は特に決める事ないもんね。
他にやることと言ったら筋トレぐらい。



だけど、今日はやることがあるの。
幸村君と決めたんだ。
私はそのことをそれとなく言い出してみる。



「・・・・そういえば、今日って2月3日だよね。」
「そうじゃのう。明日から立春じゃ。」
「まだ春にはほど遠いけどな。」
「赤也、2月3日と言えば?」
「え、誰かの誕生日とかでしたっけ?」
「バカ、節分だろ。」
「うん!!と、言うわけで〜、豆まき大会をやりましょう!!」



そう。2月3日と言えば節分。節分と言えば豆まき。
決めることのないミーティングをするよりずっと良いでしょ。




「おっ、良いじゃん豆まき!俺食う役な!」
「楽しそうッスね!んじゃあ俺も食う役で!」
「たまには、そういう行事も良いですね。」
「ちなみにブン太と赤也、豆まきに食べる役はないぞ。」
「「えぇー。」」








「たるんどるっ!部活中に遊びなど!」





赤也達がノッてきたのに、人が折角提案した事をこう妨げようとする真田がいるのよね。まったく。
というわけで幸村君の出番です。




「真田、豆まきは日本の文化だよ。」
「幸村。しかしだな・・・。」
「真田はそうやって日本の文化を廃れさせていくつもり?」
「いや、そういうわけでは・・・。」
「こういう現代っ子がいるから日本文化がなくなっていくんだね。」




「・・・・分かった。」




「「やったー!!」」




「弦一郎も幸村には弱いな。」
「それより幸村の、真田が現代っ子、発言には誰も突っ込まんのか。」




そこはあえてスルーの方向で。












「豆まきって言っても豆はどうするんスか?」
「ふふ、もう用意済みだよ。」
「さっすが幸村君!この豆食って良いの!?」
「これは生だから食べられないよ。」
「ちぇー・・・。」
「ブン太、あっちに炒った豆があるから後で食べようね。」
「やった!」



ブン太が豆食べたがるのは分かってたから、人数分より多めに炒っておいた。
年の数とか関係ないだろうからね。





「鬼役はどうするんじゃ?」
「え、そりゃぁー・・・・。」
「「「・・・・・。」」」
「・・・・何だ。」
「ふふ、全員一致で真田が良いみたいだね。」
「はい!鬼のお面!」
「面まで用意しているのか。本格的だな。」


とりあえず強制的に真田が鬼決定。
まぁ、本人も嫌がってるわけじゃないしね。
紙で作った容器に豆を分けていく。
あ、結構多いや。




「じゃあ始めるよ〜。」
「「「鬼は〜外〜!」」」


パラパラと豆が散らばる。
これはあとで片付けが大変そう。
ていうか、結構みんなマジなんですけど。
豆もスピードが半端無く速いんですけど!
何か心の声が聞こえる気がするんですけど・・・!



「鬼は〜外〜!(甘い物もっと食わせろ〜)」
「鬼は〜外〜!(無実な俺に鉄拳反対〜)」
「鬼は〜外〜!(朝練開始早すぎぜよ)」
「鬼は〜外〜!(弦一郎の服の中に豆が入った確率83%)」
「鬼は〜外〜!(帽子もたまには洗濯した方が良いですよ)」
「鬼は〜外〜!(1年生に負けておいて人にたるんどるって言える立場じゃないよね)」
「副部長は〜外〜!」
「赤也!」
「違うッス!空耳空耳!!」



・・・・・ま、みんな楽しそうだから良いか。













「ふぅ〜。結構体暖まったな〜。」
「真田君、鬼役お疲れ様です。」
「あ、あぁ・・・・。」


真田は結構疲れたご様子。
豆、小さいけどあんなにスピードある豆避けてたらしんどいかも。
当たったら痛いしね。



「みんな豆食べる〜?」
「食べるッス!」
「待ってました!」
「じゃあはい。年の数ね〜・・・。」
・・・。」
「ん、何?」
「俺の豆が異様に多い気がするのだが。」
「あえて精神年齢にしてみました。」
「ちょっと 先輩!俺の豆すっげぇ少ないんスけど!」
「だから精神年齢にしてみました。」
「俺そんなにガキじゃないッスよ!?」


赤也にあげた豆の数はご想像にお任せします。


「じゃあ最後はジャッカルね。あれ、ジャッカルは?」
「あっちで豆を拾ってますよ。」
「ジャッカルー!豆食べないのー!?」
「食べる!今行く!」


戻ってきたジャッカルの手には袋と、その中にいっぱいの豆。


「豆ぐらい後でみんなで拾えば良かったのに。」
「いや良いんだ。それより・・・」
「何?」
「この豆、俺にくれないか?」
「良いけど。」
「今日の晩ご飯に・・・・・。」



「「「・・・・」」」






「ジャッカル、豆全部あげるよ。」


こう、もの悲しい気分になったのは私だけではないはず。









あとがき
台詞ばっかりになってしまいました。
あと話がまとまってませんね。
久しぶりに書いたので・・・。
真田が遊ばれてます。
そしてオチはジャッカル。


2007.2.4