みんなに覚えてもらえる。
みんなに祝ってもらえる。
でも、それっていつも「挨拶」の後じゃん。










挨拶はその後に










「三上先輩!初詣行きましょうよー!」
「メンドイ寒いダルイ。以上。」
「そんな事言わずにー!」


予想通りの反応。
分かってたけどさ、1月1日になったとき、一緒にいて欲しいんだよ。
勿論三上先輩だけじゃなくて、キャプテンも、タクも。
淡い期待抱いてるから、一緒にいて欲しい。


「折角だから一緒に行ったらどうだ?」
「渋沢、お前もかよ・・・。」
「キャプテン行きますよね!」
「あぁ。」
「じゃあタク呼んできます!」


タクも嫌がるかと思ったけど、意外とあっさりOKだった。
三上先輩はキャプテンが説得してくれてるだろうし。














「うわぁ。人いっぱいッスねー。」
「寒い寒い寒い寒い。」


神社は人でいっぱいいっぱい。
まだ1月1日になってないのに。
もうあと数分でなるだろうけど。
三上先輩はさっきから寒い連呼だし。


「誠二迷子にならないでよ。」
「そんなガキじゃないし!あ、タクお守り買いに行こうよ!」
「はいはい。」
「キャプテーン!俺らちょっとお守り買ってきますねー!」
「あぁ、ここに戻って来いよ。」
「いや、アイツは絶対寄り道してどっか行くだろ。」
「笠井も一緒だから大丈夫じゃないか?」
「どうだか。」


そんな会話をしてる事なんて知らずに、俺とタクは人混みを突っ切って行った。
お守り。何買おうかな。











お守りやお札を売ってる所。
そこにも人はいっぱいいた。
ここの神社のお守りはよく効くって言われてるもんな。


「ね、タク。魔除けのお守りだって。」
「厄除けだろ。どうやって読んだら魔除けになるんだよ。」
「・・・へぇ〜。」
「分かってないし。」
「あ、じゃあこれはどう?長寿お守り。」
「なんで14歳で長寿だよ。あ、誠二にはコレじゃない?」
「どれ?・・・・こどもお守り?」
「誠二にピッタリだろ。」
「え、何これって俺バカにされてんの?」
「別に?あ、コレ下さい。」


俺が悩んでる間に、タクはさっさとお守りを買ってしまった。


「タク何買ったの?・・・学業、何?」
「学業成就。要は勉強出来ますようにってヤツだよ。」
「じゃあ俺もコレ買お〜。何か勉強できそう。」
「それは本人次第だろ。ほら、三上先輩達の所戻るよ。」





お守り持ってキャプテン達の所へ戻ろうとした時、除夜の鐘が鳴った。




1月1日だ。




「誠二、」
「ん?」
「誕生日おめでとう。」
「・・・・〜〜っありがとう!!タク大好き!!」


覚えてくれた、俺の誕生日。
そして何より、「あけまして」よりも「誕生日」おめでとうを先に言ってくれたこと。
すっごい嬉しかった。
そのままタクに抱きついたら凄い勢いで引き離されたけど。。







「キャプテン!ただいまッス!」
「おかえり。藤代、誕生日おめでとう。」
「ほら、コレやる。」
「え、ぅわっ熱っ!」
「焼きたてたい焼き。それプレゼントな。」
「ありがとうございますっ!!」


俺すっごい幸せ。
これから1年間、絶対いい年になる。そう思えた。





「「「「あけましておめでとう(ございます)」」」」


「挨拶」はその後に。











東京の神社のお守り調べてみました。
でもま、無難な物にしておこうかと。
初めは不破夢「挨拶その前に」とリンクさせる予定でしたが、
ヒロイン登場シーンがあまりにも少ないのでカット。
ドリームじゃなくてノベルにしました。
藤代君誕生日おめでとう!!

2007.1.1